映画のタイトルロール「スワロウテイル」
映画にはタイトルロールとエンドロールがあります。どちらも監督名や役者名などが表示されますが、タイトルロールは映画が始まる前にその作品の内容を象徴するように出されることが多いです。
そこで私は今回「スワロウテイル」という作品を見ました。
「スワロウテイル」1996年公開 岩井俊二監督 タイトルデザイナー:冨永浩一
この映画は、円が世界で一番価値が高かった時代に海外から出稼ぎに来た人たちの群像劇です。タイトルロールの一番初めに上のタイトルが表示されます。
次に工業地帯のような空撮映像と英語のナレーションが入って、映画全体の導入を説明します。
それが終わると黒い背景に赤い文字で監督名や役者名が映し出されます。黒と赤というインパクトのある配色が不安な感じを演出しています。
最後に映画の冒頭映像と共に続けてスタッフ名が表示されます。こちらも変わらず赤い文字で書かれているのは、この後に登場するマフィアと彼らに殺されてしまった女性の血、映画全体を通しての理不尽な暴力や残酷さを表しているのではないでしょうか。文字が画面に対して小さめなので映像の美しさも同時に目に飛び込んできます。初めにかかっていた優雅な音楽がだんだんと不穏になってくるにつれて、赤い文字と共に重苦しい印象を与えていました。
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